親の夢を押しつけるのは、最大の虐待
2010年12月22日 水曜日
夜回り先生でおなじみの水谷修先生の著書、『子育てのツボ』には最高の親になるツボがたくさん載っています。章だては子どもの成長に合わせて、0歳から高校生までになっています。小学校に上がるまでの中では、子どものテンポに合わせること、「子ども時間」という表現を使っていらっしゃいます。
ある時、鎌倉を散策していたら哀しい場面に出会いました。お父さんとお母さんが、6歳と3歳ぐらいの子どもと歩いていました。するとお母さんが子どもに対して、「なにのろのろ歩いてるの、ほら次は長谷寺に行くんでしょ!その後は大仏様を見なきゃいけないんだから、もっと急ぎなさい!」…。
家族で出かけた時は、「子どもの時間」の中で一日を過ごしてみてください。子どもを前に歩かせて、親はそのテンポに合わせてゆっくり歩くのです。マイペースで歩けると子どもは楽しいと思ってくれます。
そして、
絶対に親の夢を押しつけない、~人生は子どもが決める~、子どもの人生は親のものではありません。子ども自身のものです。子どもの人生は子どもが自己決定しなくてはいけません。考えてみてください。わが子がこういう人生を送れたら幸せだと考えて、親がそのレールを敷いてあげることは子どもにとって本当に幸せなことなのでしょうか。もし、子どもが人生に失敗したらその責任はだれが取るのでしょうか。
親の夢を押しつけたり、自分ができなかったことを子どもにやらせよう等と考えるのは愚の愚どころか、最大の虐待といえます。それは絶対にしてはいけないことなのです。
と、結んでいらっしゃいます。
子どもを親の思う通りにコントロールしようとすることや夢を押しつけることを「虐待」とおっしゃっています。いわゆる4つの虐待よりも、親にコントロールされることは最も精神的圧力のかかる超虐待と表現されています。
自立を阻害しているのがそれだと気づかずに必死になっている自己欲求解消の姿は痛ましく、哀れに見えてきます。その対極にある、子ども中心・子ども主体の「見守る保育」の理念と実践が子どもに幸福感を与え、それが大人の幸福感になっていく早道なのですが。
★育子園2階の絵本コーナーの「イクメンコーナー」に置いてありますので、皆様でご覧ください。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ