子どもにとって大人の存在とは
2010年12月07日 火曜日
日本は保育園と幼稚園を一緒にするという法案を国会で審議する方向で議論していますが、そんな時だからこそ世界の保育に目を向けてみましょう。
「見守る保育」の主宰者である新宿せいが保育園の藤森園長先生は、OECD(経済開発協力機構、日本を含む33カ国加盟)が推奨してている世界の5つの保育カリキュラム(ニュージーランドのテ・ファリキ、イタリアのレッジョ・エミリアなどで、残念ながら日本の保育は選ばれていません)に共通する点として次の点を揚げていらっしゃいます。
◎子どもが安心して遊んでいるか。安心とは気楽に感じる度合いや子どもが自主的行動しに活気と自信に満ちているか。
◎子どもが夢中で遊んでいるか。子どもの発達のプロセスを十分理解したうえで、どのように子どもが行動しているかを観察し熱中できる環境を設定しているか。
◎全ての子どもがその子なりに集中しているか、保育室を魅力的なコーナー、エリア、ゾーンに再配置し、型にはまらない保育備品、用品を用意しているか。
◎子どもが主導権を握れる保育環境を設定しているか。
このように子ども主体・子ども中心で発想し、柔軟に保育環境を整え変化させていくことが乳幼児教育・保育独特の方法です。言いかえれば、子どもに何かを教えるとかさせるとか、大人がやってあげるいう考えは一つもないのです。
また、子どもとは「存在は自らが計画し実行し、結果を観察し、それを繰り返すもの者」と定義していますから、大人が考えている以上に能動的な存在として畏敬の念を持ってとらえています。
そのような観点からすると大人の役割は子どもの活動を観察し、子ども同士がどう関わっているか、問題解決をどうやって行っているかをよく観察し、励ましと遊びの広がりを保障し提案していくことに徹すればよいのです。繰り返しになりますがの保育の主体は「子ども」なのですから。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ