給食を1人で食べる子ども
2010年11月19日 金曜日
11月13日に佼成図書館視聴覚ホールで行われた、杉並区私立園長会主催の福島大学大宮教授の「学びの物語」研修で子どもの主体性や責任についてこんな事例がありました。
ニュージーランドに日本から保育研修に訪れたある園長先生の話です。保育園で給食が始まりましたが、ある子どもが遊びに集中していてランチルームに来ませんでした。他の子ども達食べ始めてたころその子がランチルームに入ってきて、みんなと違うテーブルに一人で座って食べ始めました。
それを見ていた園長先生は1人で食べている子をフビン思い、みんなのテーブルに給食を運ぼうとしたところ園の先生から止められました。あの子は自分で遊びを選択し、自分でそのテーブルを選択したのですからそれを尊重してあげてください、と。
また、ある幼稚園ではお弁当を持参することになっているのですが、その子は朝ごはんをいっぱい食べてお腹一杯になって母親に今日はお弁当はいらないと言いました。母親もそれを尊重してお弁当「無し」で幼稚園に来ました。
お昼の時間になりみんながお弁当を食べ始めると、その子もお腹が空いてしまいました。職員は困ったこととはとらえず、他の子ども達に今の気持ちを伝えてみたらと、その子に話しただけです。
以上はOECDが認めて推奨している5つの保育の一つである、ニュージーランドのテファリキでの子どもと親と保育者との関係を表した例です(残念ながら日本の保育は5つの中に認められていません)。
このように子どもも大人も自分で判断し選択し、それを他の人達は侵さず尊重し見守る、それが真に開放された民主的な社会の一例でしょう。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ