自分で考える力
2010年10月19日 火曜日
ある職員が尾瀬を訪れた時に手にした「チビコト」という冊子の、みんなの尾瀬特集を紹介していました。休日でもどこかで保育のことを考えているのだなと思いました。
尾瀬は福島県、新潟県、群馬県の三県にまたがる国立公園ですが、この冊子の中には尾瀬で働き、尾瀬に学び、尾瀬を守る人たちのメッセージが記されています。
その中に群馬県立尾瀬高等学校の松居孝夫先生が記された記事が「見守る保育」に通じるものがあります。
「(前略)環境保育とは、ただ自然を学習することではありません。自然を観察して調べるのであれば、図鑑を見ればいい。自然との共生を図ることのできる人材を育てることを目指しているのです。教育の最大の指針は教師が生徒に教えないことです。すぐに教えたり、手を出すと生徒の芽を摘み取ってしまいかねません。
例えば自然は数学のようにはっきりと答えを出せるものではないので、無理やり答えを導き出して、生徒にわかったように錯覚させてしまうのは危険です。大切なことは生徒一人一人に自分自身で考えさせて、自発的な行動を促すことが我々教育者の使命だと思っています。
子ども達が大きくなる10年、20年後は今の環境とは全く違うもののなっているでしょう。本で得た知識も変わる可能性があり、信憑性がなくなり自分で情報収集し、適切に判断する力があればどんな状態にあっても対応できるのです。(後略)」
大人の役割は子ども達に、さまざまな変化に対応できる人間になれるように導くこととも言えます。そのためには松居先生がおっしゃっているように、画一的な知識や答えをを教えたりするより、さまざまな情報収集を行ってベストな言動を起こせる力、自分で考え行動する能力を引き出していくことなのですね。
Posted in 前園長(11代)須田 益朗の実践ブログ